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mer. 03 mai 2006

続姿三四郎 ■黒澤明クロニクル~ 3

 黒澤映画の中でもっとも地味な扱いを受けている作品の一つ。
 そのことは決して否定しませんが、後年のいくつかの作品の萌芽ともいうべきシーンも散見せられ、興味深いものがあります。
 たとえば末弟の鉄心の装束や柔道場を歩き回る動作は、あきらかに能の様式で、はるか後年に『乱』で野村萬斎が演じた鶴丸を彷彿とさせます。
 また、悪役として起用した役者は次回は善役に回すというローテーションもこの時から始めたものか、正編では悪役の檜垣源之助を演じた月形龍之介を、今回は同じ役のまま善役にしています。
 その後も『野良犬』の三船敏郎を『静かなる決闘』では冷静で高潔な医師役に配したり、『天国と地獄』の山崎努を『赤ひげ』では善人佐八役に起用しています。

 最後の決闘シーンは雪の中ですが、黒澤映画で雪のシーンは意外と少なく、この作品以外は『白痴』くらいでしょうか。あるいは、この作品での厳しい撮影に懲りて雪は使わないようにしたのかもしれません。
 三四郎役の藤田進は本当に雪の中で裸足でしたし、戦っている二人ともかなり寒そうで、戦いの臨場感はたっぷり味わえます。
 現在の香港映画をはじめとするマーシャルアーツと比べれば迫力不足は否めませんが、当時としては相当レベルの高いバトルだったのでしょう。

 アメリカ人をまったくの敵役として扱っているところなどはさすがに戦時下の作品ならでは。
 また、河野秋武の不敵な笑い方が丹下左膳を思わせるのは、共演の大河内伝次郎を茶化しているのかとも思いたくなりましたが、どうもこれが当時の悪役の様式だったようです。
 この作品で、月形龍之介が一人二役を演じているのはかなりあとになって知りました。

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  1. 姿三四郎

  2. 一番美しく

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