野良犬 ■黒澤明クロニクル~ 9
『姿三四郎』がマーシャルアーツの、『酔いどれ天使』がヤクザ映画の、『隠し砦の三悪人』がスターウォーズシリーズの、『用心棒』がマカロニウェスタンの原点ならば、この作品はまさしく刑事ドラマの原点です。バイブルといえるかもしれません。
この映画1本観れば、安手の刑事ものなど要らないといっていいくらい。
新入りの刑事が拳銃を盗まれ、辞表を懐に犯人捜しに歩き回るが、その拳銃で犠牲者が……という作品。
昭和20年代は黒澤作品の全盛期とはいえ、出来不出来の波も意外とありますが、この作品は技術的には中の上か上の下というところか。にもかかわらず、もっとも印象が弱い作品の一つであるのも不思議なところです。
記憶にあるシーンといえば、後に『七人の侍』で勝四郎を演ずる木村功が凶悪犯人役を演じていることと、最後の対決のシーンでの、バックに響くピアノとの対比がお見事だったことくらいか。









Commentaires