椿三十郎■黒澤明クロニクル~20
『用心棒』にひきつづき、三十郎を主人公にした時代劇。実質的に続編というかシリーズものといえるでしょう。
黒澤明が続編を作製したのは2回だけです。とはいっても、もうひとつの『続姿三四郎』は会社の命でしぶしぶ作った作品とのこと。
本作も東宝から三十郎もののアンコールによって作られたものですが、もともとは別の監督が作る予定だった作品を自ら志願したもの。山本周五郎作「日々平安」を三十郎バージョンに仕立てたもので、本人もけっして不承不承というわけではないようです。
事実『用心棒』に負けず劣らずの人気作品で、自分もどちらかというと本作の方が好みです。
娯楽性のきわめて高い前作と同様、本作もまさにエンターティメントですが、この作品が作られた1961年という時代背景を鑑みるときわめて興味深い作品です。
というのも、なにかというとすぐに刀を抜き、それでいながらでくのぼう扱いされている血気盛んな若侍たちは、あきらかに学生運動を揶揄したものと読み取れるからです。学生運動に血道を上げていた若者たちを茶化したつもりでしょうか。
黒澤映画に現れる家父長制的要因についてはいろいろな論者から指摘がありますが、自分はこの作品から『赤ひげ』にかけては、それ以前の『酔いどれ天使』などのそれとは少し趣が異なるような気がします。
そしてそれは、学生運動への批判および当時の学生運動側からの黒澤映画に対する批判に対する反撥が籠められていたのでしょう。









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