スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
期待作が目白押しの9月公開作の中にあって、グラインドハウス2部作とならぶ3大期待作の1つでした。
いずれもタランティーノが関係している作品ばかりですが、ところがいざふたを開けてみるといささか拍子抜け。なんだこんなものかというのが正直な感想でした。
スキヤキウエスタンなどと称するからには、ハリウッド製西部劇でもなくマカロニウエスタンでもない、まったく独自の西部劇を創りあげたものと思いたくなるところです。
ところができあがった代物は、単にマカロニウエスタンを日本の土壌に載せ替えただけ。
それもそのはず、本作のストーリーはマカロニウエスタンの嚆矢となった『荒野の用心棒』の翻案なのですから。
(そして意地悪くいえば、黒澤明『用心棒』をコピーした『荒野の用心棒』のそのまたコピーともいえるでしょう)
ハードボイルドな、バイオレンスを前面に出した西部劇というスタイルはマカロニウエスタンそのまま。ややユーモアの味付けも加えられていますが、これがどれくらい効いているかはわかりません。
『用心棒』は、通りがかりの素浪人三十郎が、街を支配する2大ヤクザの勢力を互いにケンカさせ、双方をいっきに潰してしまおうとする話ですが、この作品での三十郎役の伊藤英明の役割が中途半端。
三十郎や『荒野の用心棒』のクリント・イーストウッドと比べてもいささか影が薄く、桃井かおりとどちらが主人公なのか判然としないくらいです。
だから、せっかく香川照之や佐藤浩一などの芸達者を揃えてもいまひとつぱっとしませんでした。
このあたりは、脚本に難があるのかもしれません。
とはいうものの、撮影の舞台となったロケ地の選択はなかなかのもの。
庄内地方にロケしたものらしいですが、映画の雰囲気にピッタリと合っていました。
最後の三つどもえの決闘は、『続・夕陽のガンマン』へのオマージュだろうか……。













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