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dim. 16 déc. 2007

呉清源 極みの棋譜

 かなり以前からこの映画の話は耳にしていましたが、なかなか公開されず立ち消えになったと思いきや、やっと陽の目を見ることとなりました。
 囲碁を若干なりともたしなむ自分としては、待ちわびていただけに喜びもひとしおです。
 とはいうものの、一般的に囲碁や将棋の映画など、いままではたいていはハズレ。
 果して内容はだいたい懸念したどおりでした……。

 自分が知る限りでは、囲碁の映画は『未完の対局』以来です。
 囲碁・将棋・麻雀など、単に座って対局しているだけですから映画のような視覚に訴えるツールとしては不向きであること、今となってはマイナーな競技であること、そしてなによりも、囲碁の歴史やエピソードがあまり広く知られていません。したがって、観る人も前提知識がない方がほとんどでしょう。
 この作品も、呉清源の半生記という形を取りながら、自身の歴史的対局である秀哉名人との記念対局や木谷実との十番碁のみならず、原爆下の本因坊戦広島対局など、多くの囲碁ファンが周知の歴史的対局をちりばめながら戦前から戦後にかけての日本囲碁史が語られていますが、説明がほとんどないので一般の人にこれらの対局の意義がどれほど理解されたかどうか。

 そして、よぶんな説明などどんどん省いて映像だけで語ろうとしたことは大いにけっこうですが、かなり舌っ足らずであることも事実です。
 不世出の天才と謳われながら、日本と中国との関係が一番むずかしい時期に来日し不安定な棋士生活を過した葛藤が、囲碁を知らぬ人にどれくらい伝わったでしょうか。
 華やかな対局成績よりも、特に璽宇教との関わりについて大きく割いているのが予想外でした。ただこれによって、呉清源があの時期宗教にのめり込んでいた動機もかなり理解できました。

 とはいっても『未完の対局』のような酷さは感じられなかったのには安堵しました。
 あの作品では感情表現の過剰演出のみならず、とりわけ対局時の石の打ち下ろしのさまには閉口させられました。
 碁石を打つというよりも、まるで碁盤に碁石を埋めこもうというような手つきでした。
 真のプロ棋士が静かに碁盤に向い石を打ちおろすさまは、どのような名優でも演じきることができないのかもしれません。

 そういえば『未完の対局』も、フィクションとはいえかなり呉清源をモデルにしたところがありました。やはり呉清源という棋士は、棋士としてもドラマの主人公としても魅力的な存在なのでしょうか。

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Commentaires

>カツミアオイさん

コメントありがとうございました。
囲碁を知らない人にも楽しめるように作られた作品ですが、果してそれがうまくいったかどうかはわかりませんでしたね。

Rédigé par: クリシェ | le dim. 09 mars 2008 à 11:22

 こんにちは、TBありがとうございます。

 宗教のくだりなど、囲碁と関係のない部分を深く描いていただけに、対局のシーンは、ブツ切れの印象でしたね。説明不足も目立ちましたし……。
 映像とワダエミさんの衣装がきれいだったので残念ではあります。

Rédigé par: カツミアオイ | le ven. 07 mars 2008 à 23:04

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