ヒトラーの贋札
ナチスに捉えられたユダヤ人の話。とはいっても、ホロコーストものとはひと味違い、偽札づくりの才能を買われ、国家ぐるみの偽札づくりに動員されるというもの。
収容所暮しとしての待遇は決して悪くないものの、ナチスの先棒担ぎに荷担しなければならないこと、荷担しなければ死が待っていることの葛藤を描こうとしたものです。
主人公は内面にこういったジレンマを抱えながらも、生き残ることに必死になっている姿を描こうとしたのでしょうが、それが果してどこまで描き切れたのかは首をかしげざるを得ません。
むしろこの作品の両端で語られている、戦争が終り解放されてからの心の後遺症の方が印象に残りました。
隠し持っていたナチスに作らされた偽金でカジノで放蕩。しまいにはすべて焼き捨てることにより、主人公の内面を描こうとしたものですが、むしろこちらの方がより心にしみるものがありました。
テイストとしては5年前に公開された『戦場のピアニスト』に近いものがあります。あの作品は、ユダヤ人とナチス将校の交流がメインでした。
こちらは主人公の内面を描こうとした作品であり、佳作であることは認めますが、さりとてアカデミー賞の外国語映画賞を受賞するほどの作品かどうか……。









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