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ven. 23 mai 2008

砂時計

 ヒロインの少女時代を夏帆が務めていることと、ほとんどが山陰を舞台にしていることもあって、『天然コケッコー』を連想させられるところがあります。
 さらにいえば成人後の杏を松下奈緒が演じていることもあり、『未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』を思わせるところがあります。

 本作は二部構成となっており、前半が少年少女時代の恋、後半が成人後の二人という図式の恋愛映画です。
 前半部で主人公杏は父親の借金が原因で東京から母親の実家がある島根に移り住むことになった上、母親の自殺に見舞われるなど不幸の嵐に襲われますが、友人の大悟に支えられ、それがいつしか愛に発展していきます。
 まさに、幼い愛というにふさわしい展開でした。

 ところが後半になると、とたんに興が削がれます。
 盛上がりに欠けるということもさるこさながら、やたらに繰返しやフラッシュバックを多用していますが、あまり効果を上げているとも思えません。
 このことは、傑作『秒速5センチメートル』と比較するとよくわかります。
 あの作品も、第1部・第2部が少年少女時代、第3部が成人後という構成でしたが、かんじんの第3部を極端にシンプルにし、その間の経緯を映像だけで説明していくという技が功を奏し感銘が深まっただけでなく、その前段階である第1部・第2部も引き締まりました。

 ラストは途中からほぼ想像がつく結末となりました。この結末をひねれば、少しは感銘も残ったかもしれません。
 ということで、この作品1本で『天然コケッコー』『秒速5センチメートル』『未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』3本分が愉しめる1作ということかもしれません。

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