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sam. 07 juin 2008

隠し砦の三悪人(樋口真嗣監督)

 『椿三十郎』につづく黒澤映画のリメイク第2弾といったところでしょうか。
 森田芳光監督版『椿三十郎』が原典版を忠実に再現したのに対し、樋口真嗣がメガフォンを取った本作は、前作『日本沈没』と同様に大幅に改変。後半3分の2は別の話といってもいいくらい原典離れしています。
 それでありながら、原典版をオマージュするような形でところどころに引用のような部分が多見されるのが面白く、殊に原典版で有名な「裏切り御免!」のセリフも上手にアレンジされて使われています。
 自分は、改変しなければリメイクする意味がないという立場なので、このことは大いによしとします。

 原作との相違点を洗い出せばきりがありませんが、大きいところを挙げれば、藤田進が快演した田所兵衛役が完全な悪役となったこと、そしてによりも百姓二人太平と又七にそれぞれの個性をはっきりさせたことが挙げられます。

 しかし最も大きい点は、原作がもっていたややいやらしい点が払拭されたことでしょう。
 以前に原典版の感想にも書いたことですが、この作品の生まれた背景として60年安保をはじめとする政治の季節だったこともあり、ブルジョアとプロレタリアートの関係が秋月の残党と百姓二人になぞられているばかりか、愚かなプロレタリアートはブルジョアジーの支配に服すべしというメッセージとして受け取れたものでした。
 しかしながら本作のプロレタリアートたちは決して愚かで足手まといではなく、ブルジョアジーの強力なパートナーとして描かれています。
 しかも役柄としても単なる狂言回しから主役の真壁六郎太を凌ぐほどの存在にまで格上げされ、実質主役といっていいでしょう。そういった意味では、『七人の侍』の菊千代に近いものがあります。

 それにしても今回本作を観て、原典版で黒澤監督がお姫様役に上原美佐を抜擢した理由がわかった気がしました。
 自分は、配役は個性よりも演技力と思っていますが、役柄によっては強烈な個性がどうしても必要とされることもあるのです。
 あの気の強い男勝りのお姫様には、まさに上原美佐のような強烈な個性の持主でないと演ぜられなかったのかもしれません、演技力は別として。
 いいかえれば、今回長澤まさみもかなりがんばってはいましたが、この役としては少し印象が弱かったということですけど。

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Commentaires

>咲太郎さん

タイトルの監督名誤り、ご指摘ありがとうございました。お恥しい限りです。
今後ともよろしくお願いいたします。

Rédigé par: クリシェ | le mar. 17 juin 2008 à 21:53

TBは一応しましたが、多分出来ていないので
ご容赦下さい。
タイトルの監督名間違ってますよ。
森田芳光→樋口真嗣
TBしていったみなさん、誰も気づかなかったんでしょうか?
それとも敢えて突っ込まなかったのか?
本文はちゃんと合ってるんですけどね。

私もリメイクするなら、「サイコ」みたいな完コピは嫌いです。
この映画くらいやってくれると嬉しいですよね。
でも、タイトルは完全に作品とはかけ離れてると思います。
「武蔵と雪姫」にした方が良かったのでは?

Rédigé par: 咲太郎 | le mar. 17 juin 2008 à 20:27

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